【デザイン】

スア・フォルマ株式会社/福田 聡 氏


「ところで、福田くんは、どういう仕事をしているの?」への回答。

いままでのご縁やご紹介で、つくりたいものがあってご連絡いただくお客さんには、スア・フォルマ株式会社が何をする会社なのかは、おおよそご理解いただいていて当然なのですが、SNSで繋がっている友達や、友達の友達の方々には、「ところで、福田くんは、どういう仕事をしているの?」とか、「社名が覚えにくいけど、いったい何?」とか、そんなふうに捉えている方々が大半だと思います。社名の由来については、スア・フォルマ株式会社のサイトをご参照いただくとして……

私の仕事は、グラフィック・デザイナーです。

わかりやすいところでは、ホームページ、パンフレット、各種ツールのデザイン・制作。
または、ロゴデザイン、ポスターやチラシ、雑誌広告等のデザイン・制作。

実際には、一人で完結する仕事のほうが少なくて、プロジェクトの組み方によって、各方面との関わり方も様々です。プロジェクト内のデザインのみを担当する場合もあるし、ホームページ、パンフレット、映像、各種ツールを、ひとつの一貫したプランとして、企画の策定・提案から行う場合もあります。ホームページのコーディングやシステム設計・開発、または取材・撮影・コピーワーク、イラストやまんがなどの手配が必要な場合は、パートナーとチームを組んで進行します。なので、基本的にデザイナーという立場はありながらも、案件によっては、プランナーであったり、ディレクターであったり、プロデューサーであったりするわけです。

デザインの仕事は多岐に渡っており、そのなかでも「何が得意なの?」に応えないと、なかなか「売り」にならないみたいですね。例えば「哲学的なアフォリズムやコンセプトワークが得意です」と言うことができるのですが、初めてそれを聞いても意味がわからないし、デザインの仕事じゃなさそうですよね。実は、デザインにとって、とても重要な要素なので、これもまた、デザインの仕事です。ざっくりの一般用語では、企画・制作・コピーワークですかね。

主な事業内容


CI、VI、パンフレット、ポスター、ホームページ、映像(動画)、音楽、各種ツールの企画・デザイン、コンセプトワーク、図案化、ロゴデザイン、広告系の企画・制作、編集系の企画・制作(取材、撮影、編集、コピーワーク含む)等 商業デザイン全般の業務


「アレ」を「ソレ」にする仕事?

私が考えるデザインの仕事の在り方というか、デザイナーとして我々ができることは何かというと、“お客様が抱えているモヤッとした「何か」を具現化・具象化したいときのお手伝い”という定義になると思います。

もっと端的に言うと、「アレ」を「ソレ」にする。潜在するイメージの顕在化ですよね。

「えーっと……何と言ったらいいのか、アレなんだよね」から始まって、「うーん……あるいは、そうとも言うかもね」を経て、「そうそう、そうなんだよ。ソレ!」に至る導き。子どもの頃から、人とのコミュニケーションのなかで、自分には、誰かのモヤッとしているものを、何とかしたいという衝動があったように思います。
日常生活の会話のなかでは、相手が「モヤッ」としたものをスッキリさせたいのか、もしくは一緒に「モヤモヤ」を共感してもらいたいのか。とくに男女間での感覚の違いがあって、これを判別できないと相手の気持ちに応えられていない場合がありますよね(笑)。デザインの職業は、前者です。後者の職業も、実は色々ありますね。


相手によって反応は様々で、具現化・具象化の働きが最終的にどこに向かうかも千差万別というか……それがまた面白いのかもしれないです。
「Solution」というビジネス用語がありますね。日本語で言うと「問題解決」。「アレ」を「ソレ」にするというと、「問題解決」とイコールな印象がありますが、ちょっと違います。「問題解決」は、「マイナス」を「ゼロ」に戻すような意味合いですが、デザインの仕事の場合、「アレ」を「ソレ」にしたときには、新しい価値が生まれていると思います。未来を拓く、何らかの創造です。納品物は確かにひとつのゴールなんですけど、そこで生まれた意匠は、そこからが始まりですよね。

ある「問い」に対して、明確な「答え」があるというものではなくて、手探りのところから、その時点で共有できている指標と親和性の高いモチーフを手がかりにして、ある程度可能性を広げてから、方向性の収束、具現化・具象化を行い、お客さんとのイメージ摺り合わせ・共同作業の中で、ある合意点を見つけ、「これが、いいね!」とか「これも、いいね!」というあたりで、決着させる。

かなり抽象的な物言いですが、そういった営みを続けながら日々を過ごしています。
自分の素養をシンプルに活かすことのできる仕事が、きっと、デザインの仕事だったんだと思います。

「あなたのカタチ」を創造するデザイン会社

スア・フォルマ株式会社は、「あなたのカタチ」を創造するために生まれました。

まだ、言葉になっていない、まだ見えていない、コトやモノを、言葉にしたり、見えるようにするのが仕事です。

グラフィック・デザインを主軸とし、様々なカタチを具現化する企画・制作を行います。


滅多にない案件の諸々について

ホームページ、パンフレット、ロゴやアイコンのデザインなど、受注頻度の高い案件のほかに「滅多にないけど実績あり」という案件もあります。

まず、得意だけれど滅多にないのが、いままで図案化されたことのない、新しいビジネスモデルを図案化する仕事です。概略図とか構想図のような、いわば世界像を描いた曼陀羅みたいなものです。企画書内のポンチ絵図案化などもあります。まさに、モヤッとした「何か」をカタチにする仕事ですね。これは、イメージのマッチングがなかなか難しく、何度も作り直しながら仕上げていくことと、市場にない新しい価値やしくみを理解するための知識習得と知的修練が伴うため、創出の難度に見合う対価の設定がなかなか難しいです。

アルバム・ジャケットのデザインについては、ちょっと特殊な業界というか、それをやりたいデザイナーが溢れていてレッドオーシャン的なところがあり、お友達などのご縁で機会をいただく場合はあっても、滅多にできないものかもしれません。ropeadopeレーベルで2ndアルバム『another town』をリリースしたn’sawa-saracaこと唐沢寧さんのお手伝いができたことは、光栄でした。

清水玲さんのピックガードのデザインや、HORNET DEVICE『MAVERICK』(UNISOUND)というエフェクターのフェイスデザインは、どちらかというと、プロダクト・デザインにあたるんでしょうね。

Tシャツのデザインも、フォークソング居酒屋ハナリー島さんの案件で、先日、初体験しました。様々なウェアタイプと材質、印刷の種類、印刷範囲や工程など、いろいろと勉強になりました。

あと、まるで仕事になる気がしないというか、する気もないものですが、長年のデザイン仕事の経験を生かした技術の結晶みたいなもので、自分の7弦ベースのフレットに貼る音名シール作りは得意です(笑)。フィンガーランプも、最近、自作しました。木工は、さすがに業務外ですね。

フレット用の音名シールとフィンガーランプ(業務外)


音楽関連のプロジェクトとしては、松戸市の六実市民センターさんのところでのLIVE企画を、いままでに2回、これは、ちゃんと、スア・フォルマのビジネスとして、実行しました。


作詞や音楽活動については、ここでは割愛しておきます。

(2021.10.20)

※本記事は、実際は自分語りなのですが、今後の記事の参考のために、あえてインタビュー風にしました。

スア・フォルマ株式会社ホームページ
https://www.suaforma.co.jp/
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